いずぃなり

伊豆でのシニアライフ

公民館外におぼろの灯の点る(あ)

「関東などで春一番を観測した15日」。 陸奥新報コラム「冬夏言」2月15日(金)号の冒頭である。 そして、「津軽には数日ぶりに雪が舞った」と続く。そうか、あの強風は「春一番」だったんだ。「春一番」を新聞に教えられた。 あの強風は未明に轟々と吹いた。…

芳春や図書館窓の放たれて(あ)

ケータイショップに月極Wi-Fi料金を払いに行った。そうしたら、「ご予約ですか?」と訊かれた。 「ただいま生憎スタッフの手が塞がっておりまして。順番が来たら呼びますので、それまで奥のソファにお掛けになってお待ちください」だって。 スタッフ不足だっ…

春告げてカンカン単線ローカル線(あ)

文芸誌を読みながら晩酌を楽しんでいたら、生足をテーブルの足にしこたまぶつけた。 「うお〜っ、うぎゃあ」。 そんな時はあたり構わず声を張り上げる。カミさんがいるときは声を張り上げない。ひたすら痛みが鎮まるのを静かに待つ。 なんで独りの時だけそう…

受験子の言葉もなくて靴を履く(あ)

今日はバレンタインデー。ちっとも知らなかった。 神奈川・大磯に住む娘が教えてくれなきゃ気づかなかった。 娘の長女はきょうが高校受験。これも娘が教えてくれなきゃ気づかなかった。 ずっと入りたがっていた高校だから行かせてやりたいのは山々だが、これ…

春の道よぼ遅れまい遅れまい(あ)

東奥日報コラム「天地人」に、奈良美智さんが紹介されていた(2/12)。 現在、青森市の美術館で個展が開かれている。 「絵がうまいんだから美大とか行けば」。奈良美智さんは、弘前の高校時代に年上の友人からそう言われたという。 私はどうか。 「絵がうまい…

桜咲くさくさく狩野の土手桜(あ)

きょうは子供会主催の天神講。本来の天神講は2月25日。ちと早いが行事の先取りだからいいでしょう。 「天神講」とは、学問の神様・菅原道真公の命日である2月25日にお偲びする習わしのことをいう。子どもたちの健やかな成長や学業成就を願うのは今も昔も変わ…

老夫婦して早春の土手の道(あ)

無人販売のミニトマト屋さんを覗いたらやってたので10袋買ってきた。 定休は毎週金曜。昨秋からはそれ以外の曜日もやってない日があったりして不定期だったけど、最近は正常に戻ったみたい。 買った半分を食べてもらおうと思ってある宅を訪れた。ご主人は仕…

北に富士南に天城春めけり(あ)

【きょうの一枚】タイムラプス撮影台。 きょうようやく時間を作ることができたので、タイムラプス撮影台を変えた。 それまでは、薪の端材でこしらえていた。 それが幾星霜を経るうちにだいぶくたびれてきていた。 薪の端材じゃいくらも持たないよな。知って…

せんべいを噛んでがりりと春が来た(あ)

地元の高校でクロスカントリーが行われた。その立番。 何せ初めてのことで、何をどうしていいか判らない。 そこの先生が車で現場まで連れて行ってくれるというので、ひとまず支度をして集合場所に集まった。 クロスカントリーは基本的に農道を走るので辻に信…

松ぼつくり転げる屋根や春の宵(あ)

♪肴は炙ったイカでいい♪八代亜紀の歌だ。 それを一人の呑兵衛が♪年寄りゃパソコンあればいい♪と酔った勢いで歌った。歌ったのは私だ。 体力のある若者は外に出て稼げばいい。体が昔ほどいうことがきかなくなった爺婆は、家に籠もって長生きすればいい。 私が…

ピザ焼いて春宵一刻文芸誌(あ)

しまった、やっちまった。きょう、地元小学校の下校指導があったのにすっかり忘れていた。 ベテランの(交通)指導員さんからケータイに電話があって気づいた。ああ、これでまた一つ信用をなくした。 実はその前にカミさんから箱根峠の雪が心配で伊豆行きは見…

白梅の秘すれば花の勇気かな(あ)

【きょうの一枚】世阿弥。 ご存じ、『風姿花伝』の著者。 「秘すれば花」という言葉がふと頭に浮かんだ。私はそれをずっと「なんでもさらけ出して表に出すより、控えめにしているほうが美しい」と勝手に解釈していた。 しかし、世阿弥が言っているのは違う。…

春の雨しむ敷石のよもすがら(あ)

【きょうの一枚】雨に濡れた玄関先。 雨に濡れた玄関先をしみじみ眺めている。そうか、もうここに十年住んでるのか。 玄関脇の木斛も、反対側の金木犀も、丈が随分伸びたな。 住み始めた頃は、一階の屋根までしかなかったのに、気がつけばはるか二階の屋根ま…

水溜り濁れる辻に春の雨(あ)

【きょうの一枚】防寒手袋と普通の白手袋。 駅伝大会当日。あいにくの雨。天気予報では、この雨が明日は雪になるんじゃないかといってた。 寒気が上空に入り込んでいるらしい。我がチームの、40℃の高熱にうなされている選手は大丈夫だろうか。 チームは急遽…

春の雨降れ降れそして雪になれ(あ)

地元のスーパーに行くと、♪鬼は外、福は内♪という歌が、どこからともなく流れてくる。 豆をぶつけて鬼を家の外へ追い出し、代わりに福を招き入れる……。伝統の「豆まき」の行事だ。 が、青森の弘前市の鬼沢地区に伝わる鬼は、人々を救う心優しい鬼として、神…

春めくやホットサンドの縞模様(あ)

駅伝大会に補欠なしでエントリーしたら、高熱を発して走れなくなった人が出た。 その報を受けて、ドタキャンの報告をしに市役所に出かけ、タスキとゼッケンを返納した。 補欠なしでもいけると思っていたが、いちばん恐れていたことが起こった。本番2日前に欠…

早梅の白きを庭に散り敷いて(あ)

最近、バイクを転がすのが怖くなった。バランスが取れないのである。 特に右にカーブするときが怖い。ああ、倒れる倒れると思いながらスローモーションで倒れる。要するに踏ん張りが効かなくなったんだな。 近いところで二度やった。打撲程度で済んでいるか…

ぷるるんと揺れて白房花馬酔木(あ)

時たまYouTubeで水彩画の動画を見たりする。 描く人は描き方のコツを知っていて、走らせる筆に迷いがない。こうすればああなるということをちゃんと心得ている。 上手いなあと思う。でも、アナログの時代は終わった。これからはディジタルの時代だ。 ディジ…

春嵐辻の制服指導員(あ)

夜19:00〜某組織の定例会があって市役所まで出向く。 冒頭、組織の代表が「新年会」についてひとくさり。 新型コロナ蔓延の影響でしばらく休止していた新年会を復活することができてとても嬉しい。会が予想以上に盛り上がってさらに嬉しい。さぞかし親睦も深…

春の川さらさら駅伝中継所(あ)

去年の夏、夏祭りが終わった直後にバイクで転けたが、先週の土曜の夜にまた転けた。しかも同じところ。痛い痛い寝返りが打てない。 いい年こいて、何やってんだかなあ。恥ずかしくて人に言えない。 私が転けたことを知っている人は病院で診てもらうことを勧…

思ひ出の甘納豆の春の中(あ)

【きょうの一枚】甘納豆。 これ一個48円は安いと思って買った。 小さい頃、魚屋兼駄菓子屋に小銭を握って買いに行った。それを思い出して、つい手を伸ばした。が、三角のプラ袋だったかどうかまでは覚えていない。 店の思惑としては節分に撒く豆のつもりで並…

山からの風そよそよと春うらら(あ)

【きょうの一枚】松原橋から狩野川上流を撮る。 松原橋とは、狩野川土手を走ることになっている駅伝コースに架かる橋。駅伝ではここの右岸左岸を往復する。 きょうは春の陽気に誘われるかのように駅伝コースを下見した。 橋の袂に愛車を駐め、そこから徒歩で…

さくさくと薪積む庭の霜柱(あ)

【きょうの一枚】頼んだ薪。 薪を積んだトラックは午前10時にやってきた。こんなに早くやってくるの初めて。 去年までは助手席に若いアルバイトみたいな子が乗ってきていたが、今年は状況が変わって外部の人も雇えない経済事情なのかもしれない。 今日は煙突…

手作の郵便受や春疾風(あ)

【きょうの一枚】郵便ポストの修繕。 念願の郵便ポストの修繕に取り掛かった。 コンクリート平板が2枚残っていて、使い道が定まらないまま庭の隅に打ち捨てられてあった。そのうちの1枚を使う。 当初は何かに使おうと思って買ったのだろうが、今では何のため…

絵を描いてまた絵を描いて冴返る(あ)

「わだばゴッホになる」と言って青森から上京した棟方志功。そしてその言葉通り、志功は「世界のムナカタ」になった。私ならさしずめ「わだば広重になる」といったところか。こっちは相変わらず鳴かず飛ばずだけれど。 浮世絵にハマっている。しかもディジタ…

車庫の闇いよよ濃くして春の雨(あ)

最初、『東海道中膝栗毛』の挿絵にどう色を付けようかと思っていた。 そうしたら、だんだん「浮世絵」にハマって行った。 江戸文化を語るには、どうしても浮世絵に付き合わざるを得ないと思ったし、ここにねぶた下絵のルーツがあるような気がした。 浮世絵師…

春来たれども草枕なあ酒よ(あ)

変体仮名を覚えようとしたら、これまで問題なく使っていたアプリに不具合が出た。スムーズがスムーズにならず、描いた線がかくかくしてしまうのである。修正しようにもどうしていいか判らない。筆で半紙に書くならこんなことは起こらない。ディジタルの弱点…

墓石の先祖代々春の雨(あ)

【きょうの一枚】倒木の現場。 図書館から借りてきた書籍の頭注に目を通していたら、「倒木が道を塞いでいる」と通報があった。 通報を受けて現場に駆けつけたら、軽ワゴン車の方が墓参用の寺の駐車場に車を停めて、雨の中、素手で倒木をどかしていた。 ここ…

水仙花せえので背く崖の上(あ)

雨があがってから公民館でひと仕事しようと思っていた。が、雨はあがらず。結局、朝から夜までずっと降り続いた。 それでバイクを諦めて昼過ぎに傘をさして公民館に行った。 公民館でひと仕事を終えてから、お墓に挟まれた高台に出かける。そこに訪ねていく…

注ぐ病注がれる病新年会(あ)

パソコンのOSをアプデした。そうしたら、いつも世話になっているアプリが使えなくなってしまった。 それで、慣れない手つきでiPadのキーボードを叩いている。 OSをアプデすると、以前使っていたアプリに不具合が生じることは知っていた。それなのにアプデし…