いずぃなり

伊豆でのシニアライフ

蔕なくてそこだけ白きミニトマト(あ)

夏野菜を植える時期になった。 かつては庭にミニ菜園があった。しかしいつの頃からか、芝生の侵食に負けて菜園を畳むことにした。 菜園を畳んでも、ミニトマトだけはプランターで育て続けた。トマトは連作が苦手だというのをいいことに、毎年新しい土をプラ…

新緑のおつとどつこい手向山(あ)

ブログを書いている。毎日書いている。 何のために? 何のため? 何のためもへったくれもない。そうしたいからそうしている。それだけのことです。 好き好みに理由なんかいらない。好きだから好き。それでいいじゃん。 ブログを毎日書いていると、なんでこん…

八重桜孤高誇らか咲きにけり(あ)

交通安全幟旗撤去の日。 集合時刻に間に合うように出かけたつもりが、約束の場所に着いてみるとすでに予定の人が揃っていた。 チーフが、バイクにまたがる私の姿をみて、「これで全員揃った」と言った。つまり、みんなが私の到着を待っていたということだ。 …

野の草や右も左も山笑ふ(あ)

庭を眺めていると、これまで歩んできた道をふと振り返りたくなることがある。 でも、過ぎ去った昔にはどうあっても戻れない。過ぎ去った昔は思い出の中だけでしか見られない。 洟をてかてか袖でぬぐいながら三角ベースを回ったあの日。 口の周りを紫色に染め…

滅び行くものは焦がれて花車(あ)

のどかな日曜だ。 こんな、のどかな休日が過ごせるなんて思ってもみなかった。 庭の雑草を引っこ抜いて、飽いたらベッドに横になる。そして最近推しの東亜樹の歌を流す。 ♪……ひとりが好きなわけじゃないのよ♪ 中島みゆきの「ひとり上手」という歌である。そ…

花冷や悠々自適ここはどこ(あ)

夕飯の買い出しから帰ったら横浜から教え子が来ていた。 初任の職場で最初に担任を持った時の卒業生だ。 なんの前触れもなく突然やって来て驚く。 聞くとツーリングの帰りの途中だったのでついでに立ち寄ったとのこと。 ついでだろうがなんだろうが覚えて顔…

風吹けば咲く咲く白い花林檎(あ)

図書館から借りてきた本の返却が明日(4/13)までだというので、急遽本文の模写をやった。 読むために借りた、というより模写したくて借りた。常に手元に置いて書く勉強をするために借りた。 借りたのは江戸黄表紙本『東海道中膝栗毛』(日本古典文学全集・小学…

ふくよかにそも艶やかに八重桜(あ)

図書館から本返却日のお知らせメールが届いた。 えっ、借りてからもう二週間が経つのか。早いなあ。時の経つのが年々早くなってるような気がする。 こうなりゃ、死に際をもう少し先延ばししてもらわないと、やるべきことができなくなっちまう。 何かやりたい…

春の海ポートフォリオとはなんぞ(あ)

花見が先日無事終わって、公民館掲示板のポスターを剥がしにかかった。 掲示板の鍵を事務室から持ってくるのに、公民館玄関の鍵を開けた。 このときはすんなり開いた。 ところが、用を終えて玄関の鍵を閉めようとしたら、これが閉まらない。鍵を右に回しても…

花びらの舞つて散り敷き春のゆく(あ)

「メモ」のタグ機能がだいぶ見えてきた。 使い方がわかってくると、なるほど便利な機能だと思う。でもそれは自分にとって便利なのであって、自分以外の人が使って便利だと思うかどうかはまた別。だから人に勧められない。 てか、タグがいくら便利な機能だか…

馬引きの馬子の桜の峠道(あ)

4月から新年度になって、持ち場が大きく変わった。 私は、某委員会の運営を任された。 何をどうしていいか判らないポジションだが、重鎮の話に耳を傾けながら市と連携して地域活動に貢献したい。それが私の残された役目だと思っている。 具体的に何をするか…

いにしへの伊豆の重みや八重桜(あ)

「メモ」をタグで整理したいが、そのやり方がわからない。それで整理しないことにした。 整理しても、その後どうしていいかが判らない。 整理したけりゃすればいい。私は整理することにそれほど執心しないからやらない。とかなんとか言っちゃってるけど、そ…

雨光る清浄明潔福財布(あ)

横書きの「メモ」を縦書き表示で使いたくて、でもできなくて諦めた。たった横書きを縦書きにするだけなのに、こんなに時間を食うとは思わなかった。無駄むだ。横書きに慣れればいいだけのことだ。 昔はパソコンを自己流にいじって遊んでいた。その労力を屁と…

薔薇の芽の雨柔らかく膨らめる(あ)

Mac標準アプリ「メモ」をいろいろいじってみた。 私がやりたいのは、Mac本体の縦書エディタでデータを保存し、それを「メモ」で読みたいという、たったそれだけのこと。 要するに、Macで打ち込んだ縦書文書を、ケータイの縦書表記で見たいというだけのことな…

春めくやうどんしこしこ湯気の中(あ)

ブログの下書きをMacの標準アプリ「メモ」で書いている。キーボードがあると文字を打ちやすくてタッチ間違いが少ない。 Mac本体で打ち終わったら、今度はiPadから「メモ」を呼び出して、同期されたブログの下書きを「はてなブログ」にコピペする。そのときに…

観桜の古木に皺の走りけり(あ)

雨の中、チルド宅急便が届いた。 重い荷物にもかかわらず、冷たい雨に降られながら笑顔を絶やさない。ここに受け取りサインをお願いしますと伝票を見せるかじかんだ手に、これで温ったかい缶コーヒーでも飲んで、とお駄賃を渡したくなる衝動にかられた。 箱…

桜まじ路傍の翁の腰据ゑて(あ)

庭にブルーシートを敷いて娘に散髪してもらった。 「伊豆へ行ったらお父さん(私)の髪の毛を切ってやって」とカミさんに頼まれていたのだそうだ。 ありがたいねえ。晴れてよかった。 春風を受けながら、孫たちの将来のことなんかをいろいろ話した。まさかこん…

歌姫の声春の日の澄み渡る(あ)

ここ数日、春疾風が吹き荒れて、庭先が飛び散った木の葉で埋まった。 明日は孫娘が来るというから、少しはきれいにしとくべえか。 呑気にブログを書いてる場合じゃないよ。 でもこのブログ。2013年に書き始めたから今年で11年目になる。 そんなに書いてたの…

風のやや強くあれども花宴(あ)

毎日ブルグを書いている。 そんなことをしてなんになるの? それは判っている。 判っちゃいるけどやめられない(あれ、そんな歌あったな)。 楽しいから毎日続けられる。 人はそれを大変だろうと言う。 だけど、やってる本人はちっとも大変だと思わない。 かえ…

山からの風横切つて花林檎(あ)

図書館から借りてきた本を返却する。小学館古典文学全集『東海道中膝栗毛』。 借りてきてから返すまで二週間の猶予がある。のだが、二週間って早いねえ、この前借りてきたばかりだと思ってたら、もう返さなくちゃいけない。 返す時、「予約が入ってなかった…

文学賞受賞者の声春爛漫(あ)

湯舟に浸かっていたら、窓の外のすぐの茂みから鶯の鳴き声が聞こえてきた。 ホーホケキョ。 あれ、鶯だ。どこにいるんだろう。 ぶるる。 肩をすぼめて、深々と湯舟に浸かる。 もう一度、囀りにゆっくり耳を傾ける。 ケキョケキョケキョ。 前奏はない。 下手…

文学賞受賞の顔のうららかに(あ)

ようやく肩の荷が降りた。はずだが、ちっとも楽にならない。 この「楽にならない」状況は、これからもずっと続くのかな。そうかもな。 人間の営みなんて、楽なことなんてひとつもない。 でも、どうせなら楽しくやりたいな。 自分が楽しいと思えば、それが楽…

富士嶺の雲に隠れて田水張る(あ)

三島・大場にある病院で定期検診。 昨日行く予定が雨で延期になり今日の午後診になった。 結果はあまり芳しいものではなかった。 血圧や体重はさほど変わらなかったが、HbA1c値が変わった。前月と比べて1ポイント近く上昇した。 原因に覚えがある。最近カッ…

降りやまぬ雨の雨雨弥生尽(あ)

午後になったら雨も少しは降り止むかと思ったら、そのまま夜まで雨が降り続いた。 結局、一日中雨。 でも、春の雨はどこか明るさを伴う。 星野立子は高濱虚子の次女。その彼女の句に「春雨のあがるともなき明るさに」がある。 まさに今日(3/26)の雨はそんな…

春宵や赤青黄色カップ麺(あ)

新年度の仕事の準備をしていたら、かかりつけの病院から電話が入った。 「そろそろ薬が切れる頃だと思ってお電話しました」。 看護師さんが丁重に告げる。 てえことは、過去のカルテを棚から引っ張り出して、そろそろあの人の薬が切れる頃だと読んでるってこ…

ほとばしる思ひ出ばかりふきのたう(あ)

夕方、気づいたらペンシルを持って何か絵を描いている。 夜が訪れる時間帯で、外が暗くなって、あれもうそんな時間かと腰を上げることが多い。 そんなに絵が好きだったっけ。 自分ではそうは思わないけど、気がつけばペンを持っている。ということは、根っか…

手斧突き刺したまま春時雨(あ)

【きょうの一枚】手斧が突き刺さったままの薪。 薪割りをするのに丸木に手斧を突き刺したはいいが、それが抜けない。だから、しばらく雨晒しにしておくことにした。放っておけばそのうち少しは傷口も緩むべ。 孫娘が来ると言うので、ストーブにくべる薪を増…

山笑ふ舌を噛みそなその名前(あ)

今まで賑やかだったことが何事もなかったかのようにしんと静まり返ることを、津軽弁で「しげね」という。亡き母が私が孫を連れて生家を去る時によく言っていた。「わいはまだしげねぐなるじゃ」。 孫娘が来た。たくさんの思い出が蘇った。でも孫娘がいなくな…

鞦韆や揺らす主なく風のまま(あ)

孫娘は昼前に伊豆の家に到着した。 そしてまたすぐに出かけていった。 友達の中学卒業を待って遊ぶ予定だったようで、友達と一緒にランチを摂って、ショッピングを楽しんで、映画を見て、夜遅く静岡から帰ってくるのだという。家に着くのが夜の23時半だって…

青空を一面李の花盛る(あ)

湯船にお湯を溜めていたらLINEメッセージが入った。 予定では今夜、カミさんが孫娘を乗せて車で伊豆へ来ることになっていたが、悪天候で取りやめた。それで明日(3/21)、孫娘だけが独り電車で来ることになった。 やっぱりそうか。この春疾風じゃ来ないだろう…