いずぃなり

伊豆でのシニアライフ

白木蓮智に働けば角が立つ(あ)

定例総会が終わってから、労いの言葉やメールを多くいただいた。 「長いことご苦労様でした」と言われると、涙脆い私はすぐうるっときちゃう。だからいけない。 大したことやってないのにそう言われると、逆に何もしてやれなかった自分に腹が立つ。もっと自…

糖尿の薬切らして春待てり(あ)

今年度の総会が終わった。 これで一区切りついた。やれやれの心境。 この間、いろいろなことがあった。今思えば、その一つ一つが新鮮で刺激的だった。 でも、新鮮で刺激的に感じたのは実は私だけだったのかもしれない。昔からずっとここで暮らしてきた人の中…

出勤の車の後の桜かな(あ)

あす17日は地区の総会。そこで私が一言述べることになっている。なにを語るか。それをここにまとめておこうと思う。 私は青森の半農半漁の寒村で生まれ育った。 それがなぜ今ここに住んでるか。ここが住みやすいからである。 青森の高校を卒業して上京し、東…

草の戸や枝垂れうらめし雪柳(あ)

確定申告最終日。 去年もそうだったけど、最終日の確定申告会場はガラ空きで、還付金の計算まで3時間もかからなかった。 確定申告をするなら最終日に限る。 最後に腰を下ろした即席カウンターで、申告に訪れた人を証明するものの提示を求められた。 マイナン…

ばほばほとビニールシート春疾風(あ)

図書館から督促がきた。あす(3/15)が返却の締切日になっていた。 こんな古典の本なんて誰も借りないだろうと思いながら本文を模写した。 と、客の兵左衛門の台詞にこうあった。 「ヱレハイ最前からつべらこべらと、此女中よくしやべるが、其方は先なにものだ…

蕨餅喰み喰みステッキ音高し(あ)

夕方、カミさんがやってきた。 孫娘も一緒かな、と思ったら違った。孫娘は一週間後に来るという。 友達と会う約束をしてるのかな。 それとも、預かってるお年玉を取りに来るのかな。 いずれにしても、また一週間後に来るなんて、ご苦労なこっちゃ。 湯豆腐に…

東京のここは上野か春疾風(あ)

【きょうの一枚】あゝ上野駅。 晩酌をしながらたまたまテレビの歌番組を見ていたら、工藤夕貴と五木ひろしが「あゝ上野駅」を歌っていた。 「あゝ上野駅」は井沢八郎の持ち歌。娘の工藤夕貴が女優としてアメリカに渡り、ハリウッドから帰った後は静岡県富士…

ばりばりと音誇らかに春せんべい(あ)

午後2時半に伊豆の国市の同報無線が鳴り渡り、東日本大震災から今日で13年経ったことを知らされた。そうか、あれから13年経ったのか。 あの大震災で私の運命も大きく変わった。 私が定年後の人生を考えていたとき、ちょうどあの震災があった。 もしあのこと…

花韮のすつくと立てり新入生(あ)

先日、洗濯物を干していたら靴下の片方がないことに気づいた。 洗濯機の底を見ても、カゴを見ても、ない、ない、ない。 二階ベランダに運ぶときにカゴから漏れ落ちたかなと思って改めて動線を後追いしたが落ちてない。 最近、こんなことがやたら多い。 それ…

草庭を踏みさくさくと冴返る(あ)

無人販売のミニトマト屋さんへ行ったら、先客のお二人に胡瓜の袋を持っていかれた。 「あら、胡瓜があるわ。一つ買ってこ」「じゃ、あたしも。これ、うちの子が好きなのよ」。 三本一袋で100円は安い。 あれば私も買ってこと思ったが、先に手にされたので遠…

ドラゴンの玉持て余し弥生かな(あ)

毎日ブログを更新している。 それが何になるか。何にもならない。 毎日書いているからといってそれが偉いわけでもなんでもない。 ブログを書くことによって、その時間を別な時間に使えば有効な人生を送れると考えることはある。 だったらそうすれば。 誰も読…

イラストを描き直してや冴返る(あ)

ここへきて冬が舞い戻ったように寒い日が続く。この分だと、伊豆の天城にも雪が積もるんじゃないかな? 庭の梅が終わり川土手の河津桜も済んだばかりだというのに、なんてこった。 そんな折、孫娘からLINEが来た。 ばぁばの車で伊豆へ遊びに行く、だって。 …

庭持てる身も春天に誘はれて(あ)

階段を降りていたら、段を踏み外して転げ落ちた。 タイムラプスの撮影を終えて、2階から降りてくるところだった。 孫娘が、かつて「漢字が落ちてきた(壁に吊るした掛け軸が落ちてきたの意)」と言った掛け軸の下である。 大したことはないと高をくくっていた…

事務部屋の窓開け放ち春爛漫(あ)

やることがありすぎて脳みそがパニック状態になってる。 自分の能力を遥かに超えていることをしていると思う。 何か言っても、いい年こいた大人がなにを言ってるんだとしかみてくれない。 でも、やると言ったからにはやる。 それが責任というものだ。 責任が…

自転車の子らの声して春の夕(あ)

【きょうの一枚】額縁に収まった絵、というかオブジェ。 公民館のエアコンを、市から補助金をいただいてガス式から電気式に替えた。 その工事が完了し、市の人が最終点検にやってきた。 そのとき、階段を上る脇に額縁に収まったこの絵があった。 誰の絵だろ…

菜の花や田んぼの畔の女衆(あ)

今日(3/3)は桃の節句。 「草の戸も住替る代ぞひなの家」 雛祭りになると、いつもこの句を思い出す。 スーパーでは商品売らんがために♪……少し白酒召されたか 赤いお顔の右大臣♪をリフレインで流しているが、私の雛祭りはこの芭蕉の句である。スーパーは、欲し…

買わなくてもいい春の無人野菜(あ)

判らないことがあればネットに答えを求めるようになった。 例えば、総会司会進行。 どういうふうに進行したらいいか判らない。訊かれた当人も判らない。で、ネットに頼る。ネットを開くと、そこに答えがある。その情報が正しいかどうかも判らない。でもなる…

春ひとり大の字になる十二畳(あ)

昨日(2/29)返す予定だった本を返しに図書館に行った。 借りた本を手元に置いてじっくり読もうと思ったが、じっくり読む時間がない。 こんなはずじゃなかった。もっと悠々自適の老後を送る予定でいた。 どこかで歯車が狂った。でも、それもまたいいんじゃない…

甘夏の汁をたらりと魚肉喰む(あ)

万城目学著『八月の御所グラウンド』。 第170回の今回の直木賞。河崎秋子著『ともぐい』と同時に受賞した。 前々回は京極夏彦さん、前回は浅田次郎さん、桐野夏生さん、三浦しをんさんの選評を紹介した。 今回は、林真理子さん、角田光代さんの選評を載せる…

春が来た転んでもまた這い上がる(あ)

万城目学著『八月の御所グラウンド』。 今回、河崎秋子著『ともぐい』と並んで直木賞を受賞した。 前回は直木賞選考委員の京極夏彦さんの選評を紹介した。 今日は浅田次郎さんと桐野夏生さん、それと三浦しをんさん。 浅田次郎……万城目学氏はいつの時代のど…

全身で鬼ごつこの子ら山笑ふ(あ)

万城目学著『八月の御所グラウンド』。 今回の直木賞ダブル受賞作の一つで、これを読みたかった。 この作品は前評判が高く、直木賞をいただくに違いないと思っていたら本当にそうなった。いつかは直木賞をもらう人として目をつけられていたのでしょう。でも…

去る時代来る時代ありそして春(あ)

今号の文芸誌は来月号と併せた「直木賞発表」号。 一昨日は京極夏彦さんと浅田次郎さんの選評、昨日は桐野夏生さん、高村薫さん、林真理子さんの選評を紹介した。今日はそのほかの方の選評。 選評は引き続き河崎秋子著の『ともぐい』について。 三浦しおん………

ピザ焼けるこつ伝授して卒業す(あ)

今号の文芸誌は来月号と併せた「直木賞発表」号。 昨日は京極夏彦さんと浅田次郎さんの選評を紹介したが、今日はその他の選評の紹介。 引き続き河崎秋子著の『ともぐい』。 桐野夏生……主人公「熊爪」は山に棲み、熊や鹿を撃って町に毛皮や肉を売りに行く。僅…

花馬酔木白いぼんぼり房に垂れ(あ)

今号の文芸誌を手にした。 今号の文芸誌は来月号と併せた「直木賞発表」号。 「直木賞発表」号は、毎回選評を楽しみにしている。 その、選者がすごい。 京極夏彦、浅田次郎、桐野夏生、高村薫、林真理子、三浦しおん、宮部みゆき、角田光代 だもの。錚々たる…

花冷えや大型スーパー裏の土手(あ)

今日は花見。 地元公民館から最寄駅経由で河津桜の咲く土手までタクシーを走らせた。 急に決まったイベントだが、それでも数多く集まった。雨で、きょう予定のスポーツ大会が延期になったのが大きい。 花見といえば職場の花見。毎年4月上旬に催していた。職…

馬酔木咲く能登に届けやこの思ひ(あ)

能登半島地震義援金募金箱を作ってくれた人に、かかった材料費を渡しに行った。 その足で、集まった義援金をどうすればいいか市役所に相談に行った。そうしたら、市役所には入り口正面に募金箱が置かれてあって、それには締切日付も記されてあった。 その下…

春の昼手作り和菓子ひと摘み(あ)

三島・梅名の病院で定期検診。 先週連絡をいただいた。「そろそろ薬が切れる頃かと思って、ご連絡を差し上げました」だと。病院のサービスもここまで来たか。 その通り、薬が切れる頃でした。 で、雨降りだったけど合羽長靴スタイルでカブにまたがった。 こ…

これも春告る義援の幟旗(あ)

タイムラプス撮影をするのにデッキに出たら、どこからともなく鶯の鳴き声が聞こえてきた。 鶯の声を聞くと、いよいよ春がやってきたなあという感じがする。 鶯は「春告鳥」ともいう。 では、「春告草」は? 「春告魚」は? 「春告草」は、梅。 「春告魚」は…

春の昼煙はどこへ行くのやら(あ) 

【きょうの一枚】煙突の煙。 朝、薪ストーブの焚き出しに松ぼっくりを燃やしている。と、薪本体に炎が移るまで煙が出るようになった。 煙が煙突の中に燻って外へ逃げていかないんだな。 ははんこのことか、ピザバス屋さんのご主人が言っていたのは。 薪を運…

外灯の色しんなりと朧月(あ)

公民館に募金箱が設置された。 今年元日に起きた能登半島地震に少しでもお役に立てればと、地元篤志家が自腹で募金箱を作ってくれた。 私がそうしてくれと頼んだわけではない。とても他人事とは思えない、でも何とか力になりたい。そういう居ても立ってもい…