いずぃなり

伊豆でのシニアライフ

雪柳光の朝を吹き流す(あ)

朝からクラスの三年生の子に張り付く。 4校時の歌の練習では、体育館の入口ドアを閉めきり、音が漏れないようにして「旅立ちの日に」を合唱した。秘密裏に事を運び、卒業式の前日準備で椅子を並べ終えたタイミングで、今年定年退職を迎える学年主任の先生を…

余命幾許寒緋桜の風強し(あ)

今日で東日本大震災から8年。あの震災で亡くなった方は1万9598人。今なお行方の判らない方が2533人。 あのことが私の人生を大きく変えた。 それまで当たり前のようにしてあった日常の何もかもが、一瞬にして消え去っていくことを実感した。ついさっきまで隣…

妻恋ふる歌は遙かの蠟弁花(あ)

タイムラプス撮影を終えてiPhone XRを取り込もうとしたら、南隣の奥さんが庭から下の家の奥さんにイノシシが出た話をしていた。 イノシシが出た話は回覧板で知っていたが、発見者が南隣の奥さんだったとは今日知った。 南隣の奥さんと下の家の奥さんとの話を…

沈丁の香の向ふより囲碁敵(あ)

【季節の花】ジンチョウゲ(沈丁花)。 水晶苑の隣家の垣根に咲いていた。 沈丁花と言えば小坂忠の「庭はぽかぽか」という歌を思い出す。 ♬窓を開ければほんのりと 沈丁花の匂いが 家の中まで入り込んできて 怒った君の顔までもうれしそう 庭はぽかぽか 心う…

眩しきは十五のこころ花菫(あ)

6校時、体育館で行われた感謝会の一二年合同練習を見守っていたら、校長先生が私に「四月からどうするんですか?」と訊いてきた。 私は素直にJAに研修を申し込んでいることを話した。できれば農家のお手伝いをしながら、午後は水晶苑で碁を打って暮らしたい…

はくれんののそりと揺れて通勤す(あ)

公立高校の入試を終えた三年生が登校した。今日は朝から通しで卒業式の準備に当てていた。私は1校時から我がクラスの三年生の子にマンツーで張り付く。 1校時は体育館で入場、着席、証書授与の動きを確認する。角を直角に曲がる動きはまだこの地域の学校には…

踏むでないそこに一つの蕗の薹(あ)

公立高校入試二日目。我がクラスは、昨日に続いて今日も朝から調理実習。 今日は「すき焼き」と、デザートに「プリン」を作った。 「すき焼き」は唯一の三年生のリクエストメニュー。卒業を前に、最後にみんなですき焼き鍋を囲みたいと思ったのだろうか。 す…